【アクリル絵の具で描く】キャンバスの種類と下地材について解説します。

こんにちは!画家の川原です。

今回は【アクリル絵の具で描く】キャンバスの種類と下地材について解説します!
というテーマでお話していきます。
これまではデッサンに必要な鉛筆の種類や、鉛筆を使ったデッサンの描き方などを解説してきました。
今回から実際に絵の具を使って、絵を描いていく際に必要な道具やキャンバスについて
お話していきます。

1.【アクリル絵の具で描く】キャンバスの種類

キャンバスには主に2種類あります。
布製のキャンバス木製のキャンバスです。
布製キャンバスは、木枠に布を張ったキャンバスです。
木製キャンバスは、木枠に木の板を張りつけたそのままの木製パネルです。
あまりヤニの出にくい「シナベニアパネル」がオススメです。

  

   木製のキャンバス             布製のキャンバス

2.【アクリル絵の具で描く】下地材の種類

下地材は「ジェッソ」「モデリングペースト」の2種類があります。
「ジェッソ」は一般的に使われている下地材になります。
ジェッソはイタリア語でGesso(ゲッソ)といい、本来は石膏地を指す言葉でした。
「ジェッソ」にはS、M、L、LLとあります。これは粒子の大きさを表したものになります。
「S」微粒子「M」標準微粒子「L」粗粒子「LL」極粗粒子の4種類があります。

「モデリングペースト」はジェッソと比べて硬いです。また液体状ではないです。
モデリングペーストはタッチや盛ることもできます。
下地をジェッソのように平滑ではなく、盛り上げたいときや、タッチを残したときはおすすめです。
工夫次第でいろいろな表現ができるかもしれません。

           

 ジェッソ(S)              モデリングペースト

3.【アクリル絵の具で描く】布製キャンバスと木製キャンバスのメリットと デメリット

布製のキャンバスは下地材を塗るか、何も塗らないでそのまま描き始めることもできます。
絵を描いていて少し凹むような感じがします。
布に描いているのでこれは仕方ないですね。
木製パネルは、木の板自体に描いていくので、布のようにブカブカではないので
非常に描きやすいです。しかし下地材をしっかり塗っても、木目が出てしまう場合があります。
そういう場合はジェッソではなく、モデリングペーストを塗って下地を整えましょう!
また下地材を塗らずにそのまま絵の具を使って描いてしまうと、
木のヤニが出て、せっかく描いた絵が、黄色くなってしまうことが起きます。
いくらヤニが出にくい(シナベニアパネル)でもヤニは出てしまうことがあります。

 

4.【アクリル絵の具で描く】キャンバスの下地作り

使用方法はジェッソ原液か原液に最大で20%水を加えて
ペインティングナイフなどでよく撹拌してからパネルに刷毛で塗っていきます。

下地材であるジェッソを5層ほど重ねます。布地を消したい場合はしっかり重ね塗りします。
布地を残したいというのであれば、3層ほど「塗って乾かして」の繰り返しになります。
一度に厚く塗ると乾燥に時間がかかってしまう上に削りにくくなってしまいます。
できるだけ1層1層薄いく塗っていきましょう!
下地の塗りが終わって十分乾燥させたら、耐水ペーパーを使い表面を平滑にします。
ここで使う耐水ペーパーは#240~#320を使用するといいです。
室内でサンドペーパーを使うと削った粉が空気中に舞うのであまりオススメしません。
もし室内でサンドペーパーを使うときは、大きめのボールに水を少し入れます。
削った粉がボールの中の水に落ちて、粉が空気中に舞うのを防いでくれます。

私は木製パネルにジェッソを約5層ほど塗って乾かしてから、耐水ペーパーをかけています。これは布製でも木製でも変わりません。

 

木製パネルのヤニ止め

ホルベインの下地処理剤【ヤニ止め シーラー】(水性)を下地材(ジェッソ)を塗る前に木製パネルに刷毛で塗ります。
1.このヤニ止めは原液または水を10%くらいまで加えます。
2.2~3回ほど塗ります。
3.泡が出やすいのでゆっくり刷毛を動かします。
4.1日以上乾燥させます。
これはシナベニアパネルに使用してもいいですが、ベニヤ板など木製の素材に絵を描く場合になります。
他にも水彩画を描くときの【水張り】の際のヤニ止めにも効果的です。
下地材を塗って、厚みのある下地を作ってもどうしても年数が経ったりするとヤニやアクが出てしまう場合があります。
ジェッソを5層ほど塗ればほとんど出ませんが、1層、2層だとヤニが出てしまう場合もあります。

私はこのヤニ止めを使用してみましたが、非常に伸びづらく、                  広範囲に塗り広げることが難しかったです。
水も10%しか加えることができないので、原液との塗りやすさはあまり変わりませんでした。
またかなり細かい泡が立ちやすく、泡ができたまま乾いてしまうとそのまま乾いて凸凹になってしまいます。
乾燥した後はざらざらした感触になります。ほとんど細かい泡なので、サンドペーパーで削ると平滑にできます。

                

 

5.【アクリル絵の具で描く】下地材に色を加えてベース色を作る方法

これは布製、木製問わず白い下地材の上に絵の具で描いていくので、
なるべくベースに近い色を最初に塗っておいた方が後々楽になります。
背景の色を白い下地材に塗ろうとすると、なかなか染まりづらかったり、
何度も塗り重ねないといけないという場合があります。
そういう時は、ジェッソにベースとなる色を混ぜて一緒に塗ってしまおうということなんですね!
下地材に色を混色することによって、背景の色を塗るときに非常に楽に塗ることが出来たり、
ある程度ベースが決まっているので、背景の色に時間をかけなくてもよくなるということなんです。
ジェッソはほとんどが白色ですが【カラージェッソ】と言って
黒色のジェッソグレーのジェッソなどいろいろなカラーバリエーションがあります。
例えばですが、夜の風景画を描くときに白のジェッソを塗ってもいいですが、楽に作業を進めたい場合は夜の背景に合った色を最初から塗っておけばあとから楽ができるということです!

   

 

まとめ

今回は【キャンバスの種類と下地材】について解説してきました。
下地材はいろいろな種類がありますが、結構楽しみながら下地作りができると思います!
たくさん盛ってみたり、削ってみたりなど
表現をすることは例え失敗したとしても大事な経験になるので、たくさんチャレンジしてみましょう!

今回はここまでにします!
またほかの記事で会いましょう!

 

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