こんにちは!画家の川原です。
アクリル絵の具で描いた作品
今回はアクリル絵の具の【ニス】についてお話していきます。
みなさんはアクリル絵の具で描いた作品の画面をどのように保護をしていますか?
完成品をそのまま保管している方は結構多いと聞きます。
私は主にアクリル絵の具で絵を描いているので、
完成したら必ずニスをかけるようにしています。
使った絵の具に適した画面保護のニスを使用しています。
絵の具の他にも、鉛筆や木炭などといったデッサン系の画材には、
ミニグラフィックスやフェキサチーフという保護樹脂スプレーが売っています。
目次
アクリル絵の具のニスは3種類
アクリル絵の具のニスには3種類あります。
・光沢感がある「ツヤあり」
・マットな仕上がりの「ツヤなし」
・中間の仕上がり「半ツヤ」(サテン調)
初めてニスを使う方は、この3種類の中から
皆さんが描いた作品のイメージに一番近いものを選びましょう!
3種類から選ぶだけなので、そんなに迷うことはないです。
中間の半ツヤは「ツヤあり」のニスに少し水を加えて2回ほどかけると半ツヤにできます。
1層塗ったら乾かして、乾いたら2層目を塗る感じです。
また「ツヤあり」と「ツヤなし」を1:1で混ぜることで「半ツヤ」を作ることも可能です。
ツヤで質感を高める
基本的に光沢の出るニス、「ツヤあり」を使いましょう。
画面に均一にツヤを出すことで、表面に高級感や重厚感を出したり、質感を高めることができます。
ですが意外と表面の質にこだわりを持っている人は少ないように感じます。
これはとても勿体ないです。
制作側が作品にどのような質感を持たせたいのかをイメージしたり、それを明確にすることが重要だということです。
アクリル絵の具も厚めに塗ったりするとツヤが出ます。
使用色にもよりますが、透明色も同様にツヤが出ます。
画面全体にツヤのある部分と、ツヤがない部分では色ムラのようになって見えてしまうため
ツヤ感を統一をさせてあげることも大事です。
私は、描いた作品のイメージに合うように使い分けています。
光沢を与えたり、マットな感じが合う作品にはツヤなしのニスを使用しています。
ツヤありの作品 ツヤなしの作品
ニスを塗る目的
ニスの役割は、作品を傷やホコリ、紫外線からの守るためです。
作品を守る観点から使用しますが、もう一つの役割は先ほどもお話した通り
作品の質感を高めることです。
アクリル絵の具は壁画制作に使われていた画材です。非常に高い耐久性を持っています。
なので「作品の保護」という観点ではニスは他の画材と比べると必要があまりないかもしれません。
ですが作品完成後に何があるかわからないので、かけないよりはかけたほうがいいです。
直接的な傷などの他に、紫外線カットの効果があるアクリルニスもありますので、
念には念をという方はそういったニスもオススメです!
ツヤの出るアクリルニスは、厚めに塗ると絵に深みが出ます。
塗る前より明度が落ちて、彩度が上がります。
立体感が出ているように見えるんですね!
結局どれを買えばいいの?
では色々あるメーカーの中でどの製品を買えばいいのでしょうか?
画材販売店に行くと、種類が多すぎて迷ってしまいます。
全てのニスを買って試したわけではありませんが、私が実際に買って試して使いやすかったものを紹介します。
【絵の具のメーカーとニスのメーカーが異なっていても、問題なく使えます。】
おすすめのニス
使いやすさならこれ!「クリスタルバーニッシュ」
ホルベイン社が発売している「クリスタルバーニッシュ」です。
他の製品と比べるとムラができにくく綺麗に塗りやすいという点があげられます。
ツヤを強くしたいときは薄く塗って、乾燥したら塗ってという作業を繰り返しましょう。
最後の層は原液をかけましょう!
光沢がかなり強い!「ハイグロスバーニッシュ」
リキテックス社が発売している「ハイグロスバーニッシュ」です。
私が使ったニスの中で一番ツヤが強いニスになります。
最強のツヤ、みずみずしさが出ます。
何が何でもツヤが欲しい!という場合はこれをオススメします!
塗ってしばらくしても、まだ乾いていないんじゃないかな?って思うくらいツヤが強いです。
1層目に原液をそのまま塗ると、少しムラになりやすいです。
最初の層は水を加えて薄めてから塗ったほうがいいかもしれません。
層を重ねるごとに濃度を上げていきましょう。
紫外線をカットしたい方は「リキテックスプライムシリーズ」のニス
リキテックス社が発売している絵の具に「プライム」というシリーズがあります。
このシリーズのニスにはUVカット効果があるのが特徴です。
紫外線に晒されて、日焼けや色褪せが心配な方はこれを使うといいかもしれません。
ツヤの種類も強ツヤ、普通のツヤ、半ツヤ、ツヤ消しと種類がたくさんあります。
マットな画面にしたい「マットバーニッシュ」
ホルベイン社が発売している「マットバーニッシュ」になります。
マット感を出したい、落ち着いた画面にしたいという場合はコレがオススメです。
ツヤ消しの画面になるのが特徴で、作品を写真で撮る際も光が反射しないので撮影しやすいです。
この「マットバーニッシュ」は回数を重ねるとツヤが出ます。
そこまでツヤが強くはないのですが、水で薄めて一度に厚塗りせず、薄く塗りましょう!
回数は多くても2回までです!
ただし原液で厚めに塗ると完全にツヤが出ます。
「クリスタルバーニッシュ」と同等のツヤが出ますので注意が必要です。
まとめ
今回はアクリル絵の具の「ニス」についてお話してきました。
いかがでしたでしょうか?
最初のほうにも書きましたが、ニスは作品に質感を与えるための手段として重要だと感じます。
もし自分の作品に使ったことがないよ!という方は是非お試してみてはいかがでしょうか?
ニスを使うと作品の変化が見られるので、新しい発見があるかもしれません。
では今回はここまでにします!
また他の記事でお会いしましょう!さようなら!
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